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2020.12.15

<映画:星の王子 ニューユークへ行く> #ジョン・ランディス監督 #エディ・マーフィー主演 #クリスマス前のニューヨークおとぎ話 #拝金主義の父親と博愛主義の娘 #Can’t-buy-me-love

タイトルが入ります

 

こんばんは。

No Cinema, No Life.

火曜日担当のツノムラです。

 

唐突ですが、クリスマス前になると、どうしても、見たくなる映画があります。

 

映画の舞台は、32年前の1988年、冬のニューヨーク。

クィーンズの黒人居住地区で男と女が出会うハートフルなラブコメディ。

80年代の原色使いのファッションが、今の時代の気分に馴染む。

 

そして、来年の3月に33年ぶりに、その続編が公開されます。

 

 

そうです。アレです。星の王子です。

 

満面の笑みでギャグを連発する天才コメディアン『エディ・マーフィー』が主演の『星の王子 ニューヨークへ行く(1988年、ジョン・ランディス監督)』を本日ご案内します。

 

 

ゴールデン洋画劇場(関テレ:土曜日9時:高島忠夫)、金曜ロードショー(読売:金曜日9時、水野晴郎)など、地上波テレビで何回再放送をやっただろうか。

 

原題は「Coming to America(アメリカに来る)」。それを『星の王 ニューヨークへ行く』の邦題に訳したパラマウント映画ジャパンの宣伝担当は天才だと思います。

 

主人公であるアフリカの純粋な青年を形容して、サン=テグジュペリ作品『星の王子』のワードを映画タイトルに書き加えるセンスが秀逸です。

 

少し、脱線します。ご容赦を願います。

 

1988年はコメディ映画にとって、伝説の当たり年と言われています。

 

そのコメディー作品の一部をご案内すると、ざっとこんな感じです。

 


 

実写とディズニー・アニメを合成した「ロジャー・ラビット」は第61回アカデミー賞を6部門獲得でコメディアニメの最高傑作。

最新鋭の映像技術と約80億円の巨額製作費。スピルバーグが製作総指揮。

ディズニーによるバブル期の黄金コメディ。

 


 

インディペンデント系では、鬼才ティム・バートン監督の「ビートルジュース」がじんわりと流行りました。

ホラー・コメディという新しいジャンルの先駆けで、キャラクターのグッズ収集やUSJのアトラクション(モンスター・ライブ)に詰めるカルトファンが今も多い。

 


 

カナダでは、国民的喜劇王のレスリー・ニールセンの「裸の銃を持つ男」が封切られ、シリーズ化されている。

ニールセンは、真面目な顔でくだらない下ネタコントでボケ続ける。

日本通で、志村けんさんと何度もコント共演しているので、熱烈なファンが多い。

僕もその一人。

 


 

オーストラリア映画では、「クロコダイル・ダンディ2」のダサカッコ良さにハマりました。

只々バカなマッチョ男がワニと格闘するつまらない話ですが、悪くない。

アクションスターの藤岡弘。さんの様に、顔を見ているだけで雰囲気が面白いみたいな感じ。

 


 

イギリスでは、大人のブラック・コメディ「ワンダとダイヤと優しい奴ら」がヒット。脚本と主演は、伝説の神コメディ集団『モンティ・パイソン』のいかりや長介的リーダーのジョン・クリーズ。

 

彼の芸風は、いつも怒っている高血圧気味のキレキレのツッコミ。

日本でいうと極楽とんぼの加藤浩次みたいな、狂犬キャラ。

 

80年代後半の土曜日の夕方にテレビ大阪で放映されていたクリーズが主演のリゾートホテルが舞台のコントドラマ「Mr.チョンボ危機乱発(原題はFawlty Towers)」

が好きでした。

DVDが何とか手に入らないか探しています。

 


 

日本では、ハマちゃんこと浜崎伝助(西田敏行)、スーさんこと鈴木一之介(三國連太郎)のコンビによる「釣りバカ日誌」のシリーズの第1作が公開されました。

言わずもがなですが、老若男女にウケる松竹映画のドル箱喜劇です。

 

ハマちゃんの奥さん役は、石田えりさんの方が良かったです。「合体」の漢字表現だけで醸し出す上品なエロコメディの成立は、石田さんと西田さんだからこそだと思います。

 


 

その他にも、88年公開のハリウッドのコメディ映画は、アメリカテレビ局NBC放映のバラエティ「サタデーナイト・ライブ」出身のコメディ・スターの作品が目白押しでした。

 

トム・ハンクスの「ビッグ」は現代版お伽話で、誰もが経験したことのある子供時代の不安感に共感して泣ける。

 

「三人のゴースト」のビル・マーレイは、傲慢な拝金主義の嫌味な男で蹴り倒したくなる。「クリスマス・キャロル」が原作のコメディで、12月の映画におすすめです。

 

それ以外にも88年公開のコメディは、沢山あります。

よければ、Google先生に伺ってみてください。

 


 

前置きが長くなりました。

 

しかし、これだけ後世に残るコメディ映画が全世界で大量生産された『1988年』とは何だったのか?

 

とても気になります。どなたか、教えてください。

 


 

話を『星の王子ニューヨークへ行く』へ戻します。

 

本作のジョン・ランディス監督は、80年代のヒットメーカーです。どの映画もわかりやすくて、ゆるいストーリーが中心だからか、彼は軽いエンタメ映画監督のレッテルが貼られています(多分)。

1981年の「ブルース・ブラザーズ」、83年の「スリラー」、86年の「サボテンブラザーズ」、94年の「ビバリーヒルズ・コップ3」、そして88年の本作。

 

確かにビデオを流しっ放しで、少し目を離しても、気にならないですぐにストーリーに付いていける単純な映画が多いです。

 

MTVみたいに、繰り返し見ても飽きない映像のテンポ、単純明快なストーリー(英語教材に最適)ですから、映画マニアから高い評価を得ていないかもしれません。

 

シンプルって、逆に難しいことだから、僕はランディス監督の凄みを改めて見直しています。

 


 

さて、映画イントロ部分をご案内させてください。ネタバレは極力避けますが、ご容赦ください。

 

登場人物のほぼ全員がアフリカ系アメリカ人とアフリカ人(ザムンダ王国からの渡米した人々)。このアフリカン・ルーツを再評価するキャスティングは、マーベルコミックの映画「ブラック・パンサー」的で好きです。

 

 

あらすじは、クィーンズの黒人コミュニティでハンバーガーショップ「マクドウェルド」を営む『マクドウェル家族』のドタバタと箱入り娘リサの結婚物語。

 

理不尽な人種差別や貧困、ドラック、殺人傷害、LGBT問題もない、平和なニューヨークの庶民の暮らしを丁寧に描いた作品。

88年の多文化都市(コスモポリタン)の中心であるN.Yクイーンズなのに、僕らのステレオタイプであるメガでかいラジカセを担いだドレッドヘアーのラッパーは出てこない。

 

出てくるのは、NBAのバスケットボールスタジアム、地元住民が集う散髪屋、教会の日曜礼拝とチャリティーイベント。

しかし、意外とこれが普通のN.Yダウンタウンの街場の暮らしかもしれない。

 

 

しかし、普通でない問題が2つある。

 

本家「マクドナルド」から商標侵害の警告を受けても、激無視してパクリ、本物ソックリのロゴマーク『マクドウェルド』と定番メニュー『ビッグ・ミック・セット』で大儲けしているヒロイン「リサ」の父親「マクドウェル社長」の横暴ぶり。

 

彼は、この物真似バーガーショップのフランチャイズ化で更なる一攫千金を企んでいる。

 

 

そして、マクドウェル家の箱入り娘「リサ」の婚約相手「ダリル」が怪し過ぎる。

毛皮と大きいアクセサリーの成金ファッション、ヘアースプレーで固めたトンガリ髪型が怪しい。

 

 

吉本新喜劇的な流れで言えば、拝金主義の父親が娘と成金男の婚姻に持ち込んで、更なる事業拡大を狙い、最後にはドボンみたいな悲しい結末はゴメンだぜ。

 

そんな折に、アフリカのザムンダ王国から渡米してきた貧しい留学生「アキーム」がリサの父親のバーガーショップで働き始める。

 

 

仕事に真面目で誠実なアキームにリサは惹かれ始め、デートを重ねる。

 

<貧しい留学生:アキームとの恋は成就するのか?>

<リサは元彼:ダリルとよりを戻すのか?>

 

 

<金こそが全ての父親は、どの花婿を許すのか?>

 

<ビートルズの「Can't buy me love」的な結末なのか?>

 

<浜田省吾の「Money」的な結末なのか?>

<「いつかあいつの足元にBIG MONEY 叩きつけてやる」で終わるのか?>

 

続きは、本作を是非にご覧ください。

 

ネットフリックスで映画配信しています。

 

それでは、また来週まで。

おやすみなさい。