YARD CO.,LTD.

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2020.07.07

<映画:ビッグ・リボウスキ #コーエン兄弟  #デュード  #やばいファッション #首ダルダルTシャツ>

タイトルが入ります

 

 こんにちは、火曜日担当のツノムラです。洋服のデザイン企画会議では映画の中のファッションについての雑談が円卓での共通言語になることが多々あります。

 例えば、先輩からの振りで「あの映画に出てくる用心棒が着てたシャツの衿が気になるねん。どない思う?」→「デカすぎますわ。安岡力也さんみたいですやん」みたいな受け。そんなラリーは結構大切だと思います。僕は、メンズについては、ウェス・アンダーソン監督作品の衣装デザインがセレブ・インテリと文化系オタクの中間の抜け感を本当に上手く捕らえていて、勉強になります。

 

 それとは、全く逆のベクトルで、絶対にこのファッションを真似したらダメな映画の主人公がいます。それは、ジェフ・ブリッジスが演じる映画「The Big Lebowski」のDude(デュード)です。

 

 

 彼は、街一番の無精者で、長髪と髭、首がだるだるのTシャツ(クルーネックなのかV首なのか原型がわからない)と短パン。その上に着古したワードローブか小さ過ぎるカウチンニットを装い、いつも酔っ払っている。無職・独身で友達は2人だけ。酒はウオッカにカルアミルクを混ぜて生クリームをぶち込んだ自家製カクテル「ルシアン・ホワイト」しか飲まない(道理で中年太りがひどい)。

 しかし、唯一の趣味であるボーリング大会では、中年太りなのにあえてジャストサイズな2トーンのボーリングシャツの着こなしが極まっていて、この人、本当はおしゃれ達人だと思う。

 と思ったら、偶然に出会った女性とのデートには、袖を引きちぎった純白のオーバーオールを勝負服とし挑むトンチンカン(ワイルドだぜっのスギちゃんみたいな)。挙げ句の果てに、自信満々でトリッキーなコンテンポラリーダンスで魅惑のビームを放つ。意外とモテる。

 

 

 

 中二病を拗らせたままの僕のような40代おじさんには、たまらない映画です。鬼才、ジョエル・コーエン監督が撮った1998年公開のこの作品は、ミニシアターからじんわり火が付いたハードボイルド系コメディ映画であり、同世代の皆さまには馴染みあるヒット作品だと思います。

 

 「ホワイトルシアン」は悪い酔いしそうで、オススメできませんが、同じウォッカベースで、氷たっぷりのモスコミュールあたりで蒸し暑い夜長を映画とともにいかがですか。アンビバレントな深い夜になりそうです。