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2021.01.19

<連続ドラマ:きのう 何食べた?> #よしながふみ 原作 #西島秀俊 主演 #内野聖陽 主演 #きのう何食べた?思い出せない。

タイトルが入ります

 

職場で「昨日なに食べた?」って。

そんな事を急に聞かれても、回答できません。

 

忙しすぎて、他にもやる事が沢山あって、何を食べたなんて、すぐには思い出せない。

 

健忘症です。

そうかも知れない。

多分に僕は、日々の食べることをなおざりにしている。

 

しかし、大抵は5秒あれば、昨日の朝食や夕食の大まかな品目は頑張って思い出せる。

僕の場合、健忘症ではなく単なる脳の老化だろう。

そう、願いたい、思いたい。多分、脳の老化が原因だ。

 

ここまでの「昨日は、何食べた?」は、僕自身の脳の老化チェックのこと。

 


 

一方、よしながふみ先生が原作の料理漫画『きのう 何食べた?』は深い。

 

 

 

よしなが先生は、2007年から青年誌:モーニングで『きのう何食べた?』を月一連載で描いています。

 

『何』には色々な含みがあると思う。

 

その前に、『誰』と食べるか? こそが、大切だと思う。

 

よしなが先生は、家庭で誰と誰がどんな会話をしながら食べたかを、漫画の中で丁寧に描いています。

 

その食事は、誰かの好物であり、誰かの体調管理の為であり、誰かを幸福にするものである。

作者は、「何?」よりも「誰?」との食事かを深追いする。

読み手はそこに惹かれます。

 


 

本作は、テレビ東京の深夜枠で2019年4月からドラマ化されています。

お馴染みにのファンも多いと思います。

 

Amazonプライムやネットフリックスで12話分とスペシャル版が動画配信されており、この長いコロナ禍でご覧になられたかたも多いと思います。

 

シロさん役は西島秀俊さん、賢二役は内野聖陽さん。

原作とドラマのキャスティングは違和感がなく、相反するタイプの二人の役者の掛け合いは、スバ抜けて面白い。

 

さて、ドラマの主人公について、少しだけ詳しくご案内します。

 

シロさんこと、筧史朗は、抜群の料理センスで、家族の毎食の栄養と和やかな食卓を切り盛りする。

 

ドラマの導入は、シロさんがスーパーで食材を選ぶシーンから始まる。

 

スーパーはいつも同じで、普通ですが、特売が魅力の中村屋。
何度かドラマを見るうちに、店内放送で流れる中村屋のコマーシャルソングを覚えるほど、とても良いジングルです。

 

 

彼は、季節の旬と値頃感、そして栄養バランスを熟慮した食材を、買い求める。

 

僕らは、彼のおふくろの味的な懐かしい食材のチョイスにとても郷愁を感じる。

 

そして彼は帰宅して、早々に絶妙な手際の良さと大胆なフライパンの火加減で肉を炒める。

その調理シーンは、見ていて飽きない。

食材の彩りと器の盛り付けセンスは、プロシェフ並みで、真似したくなる。

 

 

 

シロさんは、現在、52歳のおじさん。

長身で細身、ハンサム、実年齢よりも若いルックス(アンチエイジングの努力を怠らない)。

 

職業は、弁護士で民事訴訟が専門、個人事務所を開いている。

 

彼の料理の腕前は、職場でも知れ渡っている。

 

同僚から「昨日は何食べました?」との問いに「煮込みハンバーグを二人で食べた」と即座に答える。

 

シロさんの脳年齢はすこぶる若い。

 

 

「こんな男前に毎日、手料理を振る舞われるなんて、なんて幸せな女性なのでしょう!」

 

弁護士事務所の若い女性たちは、羨む。

 


 

シロさんには、10年近くも同棲している相手がいる。

郊外の2LDKのマンションに慎ましく二人で暮らしている。

 

二人には子供がいない。

 

二人は節約生活をし、老後資金を貯めているが、結婚をするつもりはない。

 

いや、結婚できないのかも知れない。

 

シロさんのパートナーが賢二だからである。

 

 

その長年の連れ合いの名前は、矢吹賢二。

美容師で店長を任されている。

 

頭頂が薄くなり最近は金髪にした現在、49歳のおじさん。

 

つまりは、同性婚が二人の障壁になっている。

 

二人のおじさんは、互いに深い愛でつながっている。

しかし、シロさんは自身の同性愛をカミングアウトしていない。

 

 

 

 

本当のシロさんは、いつも人の目を気にし、優柔不断で、人の意見に流される。

しかし、人前では勝気な弁護士として、強い男を演じている。

 

一方で賢二は、自由で誰の目も気にしない生き方を通してきた。

 

シロさんは、賢二の生き方に惹かれ、徐々に自分がLGBTであることをオープンにし始める。

 

僕の周りには偶さか、LGBTの知人がいないので、それがどれだけ生きにくい事なのかは想像できなかった。

 

本作はゲイの世界を、興味本位の上っ面で描いていない。

誰もが同じ問題を抱える家族の物語として、コメディータッチに普通に描写している。

 

それは、ドラマの演出や作り手にとって、とてもセンシティブで難しい事です。

 

軽く言えば、多様性を理解する事ですが、本質は結構に深いテーマです。

 


 

ドラマの脇を固めるのが、シロさんの母親が梶芽衣子さん、賢二の同僚がマキタ・スポーツさん。

同性婚の問題を抱える友人の菅原大吉さん(ピンクの電話の竹内都子さんのご主人)、シロさんの料理友達の田中美佐子さん、などなど。

 

 

しみじみと演技が上手い日本映画界のバイプレイヤーが総出演しています。

 

暗いニュースばかりの世相ですが、本作はとても明るい気持ちになるコメディーです。

 

是非是非にお勧めします。

 

 

それと、2021年に同じキャスティングで映画化されるそうです。

映画の詳細は、まだまだこれから分かるようです。

楽しみです。

 

それでは、おやすみなさい。

また、来週まで。