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2020.10.27

<映画:デッドプール>  #ティム・ミラー監督 #ライアン・レイノルズ主演 #悪ふざけとゲスの極み #R指定のX-MENヒーロー

タイトルが入ります

 

 こんばんは。

 No Cinema, No Life.

 火曜日担当のツノムラです。

 

 劇場版「鬼滅の刃」無限列車編

 まだ見ていません。

 

 公開10日間で約800万人の動員記録。

 この大ヒット作品は、社会現象になっています。

 

 うちの娘はコミック全巻を揃え、アニメ版も劇場版も2回も観るほどの大ファンです。

 先日は、鬼滅の聖地である福岡県太宰府市の「豊満宮 竈門神社」に家族全員で絵馬を奉納してきました。

 

 でも、僕はアニメ版すら見ていません。

 

 それで、娘にどんな映画かを“ミルクボーイ風”に聞いてみました。

 

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 「うちのオカンがね、好きな映画があるらしいんやけど、名前を忘れまして」

 

 『オカンは、だいたいジャニーズJr.が出る映画が好きやよ』

 

 『一緒に考えるから、映画の特徴を教えて』

 

 「コミックが原作の大ヒット映画でして」

 

 『それ、“鬼滅の刃”やがな、その特徴は完全に“鬼滅の刃”やがな!』

 

 「それが、オカンが言うには、マーベル·コミックらしい」

 

 『それは、鬼滅と違うな。鬼滅は週刊少年ジャンプ、月曜日のお楽しみ、アメリカンではない』、『もうちょっと、詳しく教えて』

 

 「オカンが言うには、悪い奴らに襲われて、不滅の化け物にされるらしい」

 

 『それ、“鬼滅”やがな、化け物って鬼の事やろう?』

 

 「それが、オカンが言うには、エルム街の悪夢のフレディみたいな顔で、筋肉ムキムキのオッサンが主人公らしい」

 

 『それは、鬼滅と完全に違うな! 禰豆子は竹筒を咥えた可愛い女の子。ダサいボーダーのセーターも着てないし、オッサンでもない』、『もうちょっと、詳しく教えて』

 

 「オカンが言うには、刀を振り回して、悪の組織をバタバタなぎ倒すらしい」

 

 『それ、絶対に鬼滅の炭治郎やがな! “鬼殺隊”で修行して、鬼舞辻無残に立ち向かう話の映画やがな』

 

 「それが、オカンが言うには、性描写が激しくてR15の映画らしい」

 

 『鬼滅にエロの要素は1ミリもないよ。禰豆子のモザイク映像は劇場が騒つくよ!』

 

 『ほんなら、“鬼滅の刃”と違うがなっ!』

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 そうなんです。

 

 オカンが言うのは、ファミリー向け映画の『鬼滅の刃』ではなく、子供がみてはいけないR15指定のマーベル・コミックの『アレ』です。

 

 2016年公開、20世紀フォックス配給『デッドプール』です。

 

 この2つの作品は、刀とかミュータントとか復讐とかモチーフは似ているが、中身は全く違う映画。

 ゲームクリエイターのティム·ミラーの初監督作品、ヒーロー役はカナダのセクシー系俳優:ライアン·レイノルズで、暴力描写と性描写、下ネタの度が強くて、ディズニーが配給を辞退した大人のアメコミ。

 

 

 本日は、マーベル·コミックのX-MENシリーズからスピンオフした『デッドプール』をご案内します。

 アメコミのファンには古くから親しまれたキャラです。

 

 赤いピチピチの忍者コスチューム、背中に二本の刀を携え、マグナム弾と併用して、瞬時に敵を斬り倒す。

 暴力描写は、リアルであるが、劇画コミック風のCG画像処理によりスプラッター的なグロテスク感を抑えている。

 

 

 カーチェイスとかド派手な爆破、血しぶきと肉片、やり過ぎの合成CGをあえて自虐センスとして捉えて、ギャグに置き替えていることが斬新で、他のマーベルシリーズに無い魅力です。

 

 

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 映画イントロ部分の説明をご容赦ください(極力にネタバレはしません)。

 

 舞台はニューヨークの現代。

 悪そうな奴らが集まる場末の酒場「シスター·マーガレット」。

 仲間内で誰が一番先に殺されるか、オッズを付けて賭けを楽しんでいる。

 その賭け事を『デッドプール』と呼ぶ。

 

 

 主人公のウェイド(後のヒーロー『デッドプール』に変身)は、街で起きたトラブルの後始末(トラブルシューター)で日銭を稼ぎながら、酒場でくだを巻き、新しい仕事の依頼を待っている。

 

 彼は、湾岸戦争に特殊部隊として従軍し、戦争のトラウマから精神が不安定で、常にギャグを独り喋りしている。

 その8割は、下ネタで、残りは80年代のサブカルについて文句を言っている。

 

 例えば、ジョージ·マイケルの「Wham!」をワムではなく、“ワァッウム!”と正しく発音しない奴はクズだとか。

 

 

 ウェイドは、誰からも疎まれるが、誰に対しても優しく、ブルーハーツで言うところの「ドブネズミ」みたいに美しい(リンダリンダ、甲本ヒロト作詞·作曲、1987年)。

 

 相当に痛いキャラですが、たわいの無い、しょうもないことに対して博学で、オタク·カルチャー好きには、大好物です。

 

 ある日、バーカウンターで飛びっきりの美女:ヴァネッサが隣に相席し、彼女からデートに誘われる。

 

 彼女は高級娼婦、彼は用心棒稼業。

 

 二人は貧困や児童虐待など不幸な生い立ちが同じで、ともに深い傷跡を抱えている。

 すぐに恋に落ち、同棲を始め、独りぼっちだった彼らは、初めて本当の愛を知ることになる。

 

 純粋なラブストーリ、ため息が出るほどの深い愛の物語です。

 

 映画ファンからは、本作のラブシーンが高く評価され、その描写が本当の恋人同士のようで、R15指定になっています。

 

 

 さて、残念ながら、そんな二人の幸福は長くは続かず、ウェイドは彼女の元を去る。

 そして、彼は生まれ変わる。不滅のスーパーヒーローに。

 

 ここから先は、是非に本作をご覧ください。

 

 アマゾンやNETFLIXの動画配信には上がっておらず、iTunes-Storeなどからの利用になります。

 

 最後に、僕が気になる点をご案内します。

 

 <第四の壁系の映画、メタ・フィククション>

 ウェイドは、自分の事を「俺ちゃん(轟二郎さんが自分の事をボキと呼ぶ感覚)」と呼び、とにかく、キレキレの神経衰弱気味に下ネタのギャグを喋り続ける。

 

 

 そして、映画の進行を一旦停止して、スクリーンのこちら側にいる我々観客の目線を意識して、ギャグを話しかける。

 

 観客の同意とツッコミを一拍待って、一時停止を解除して何事も無かったように、映画を再生、進行する。

 

 手塚治虫先生が漫画で編み出したメタフィクション的な読者との対話手法。

 この手塚治虫的な一人称メタ発言が、劇中の緊張と緩和のリズムを生む。

 観客は、完全に引き込まれる。

 

 スクリーンで阻まれた演者と観客の結界、いわゆる「第四の壁を越える系」の映画として、本作はマニアから深く支持され、パート2は2018年に公開大ヒットし、続編パート3の噂もあります。

 

 <下ネタの吹き替え>

 

 連発される下ネタは、字幕だと英語文化圏のネイティブにしか分かりにくいギャグとニュアンスだそうです。

 

 日本語の下ネタに翻訳した吹き替え版がおすすめです。

 

 放送禁止用語ギリギリの翻訳のセンスが秀逸!

 大人は笑えるけれど、ゲスの極みなので、子供には見せたくない。

 

 

 中学生の男子は、隠れてスマホで見ているそうです。

 

 それでは、また来週まで。

 おやすみなさい。